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Kayaba modern

  株式会社カヤバの漆ブログ

TOP漆コラムの記事

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2024/11/26(Tue)09:24

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漆は弱い?

2007/10/11(Thu)00:00


「漆は傷つきやすい」と思われがちですが、

実は他の合成樹脂系塗料の硬度と大差ありません。

漆の硬度(塗膜の硬さ)は、大体2ヶ月程で4H~6Hぐらいになります。


次は耐薬品性。

漆の長所は?で「酸/アルカリに強い」と書きました。

ではどの位強いのか?

硫酸や濃硝酸(金をも溶かす強酸性の水溶液)をかけてもまったく変化がありません。

炭酸ナトリウムなど弱アルカリ性程度の物なら変化はありません。

また、エタノールなどアルコールにも強いです。

これらは全て実験された上で、研究データも出ています。


さすがに、鋭利なもので引っ掻いたり、除光液など強い溶剤を付着させると傷つきます。

しかし、総合的に評価すると、漆は安定した塗料であり、

溶剤や薬品に対しては、比較的強い塗料なのです。

漆を塗ってすぐは弱いので,始めは丁寧に扱って欲しいのですが、

(大体、商品納品後3ヶ月位は丁寧に扱ってもらう様お願いしています)

長い目で見ると、とても扱いやすい素材だと言えます。


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No.27|漆コラムComment(0)Trackback()

本漆とカシューの違い

2007/10/10(Wed)17:59


カシューはカシューナッツの殻から抽出される油です。

漆に似た性質を持つ事から、カシュー漆、代用漆とも言われます。

最近ですと、襖の縁やお仏壇ばどによく塗られています。

漆とカシュー、見た目は似ていますが、まったく別の物です。


その違いは・・・

◇漆は塗ってから硬くなるのに対し、カシューは塗ったときが一番硬い

◇漆は溶剤を混ぜなくても塗れるのに対し、カシューは多少の溶剤を混ぜなければいけない
 ⇒(完全な天然塗料とは言えない)

◇漆は水分を与えて乾燥させるのに対し、カシューは水分を飛ばして乾燥させる

◇漆はヒビが入らないのに対し、カシューはヒビが入る

◇漆は使えば使うほど艶が出るのに対し、カシューは使用しても艶が出ない

◇漆は自然の香り(漆独特の香り)がするのに対し、カシューは科学塗料の様な臭いがします

◆漆は完全に乾いていていないと被れる場合もありますが、カシューは被れません


見た目でわからない性質ばかりですが、使えば使う程、品質の差が出てきます。

いいものを「長く」使って欲しい。

だからこそカヤバは本漆にこだわります。


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No.22|漆コラムComment(0)Trackback()

漆かぶれ

2007/10/10(Wed)10:00


サンプルをお客様にお見せすると、たまに

「触っても被れない!?大丈夫!?」と確認されます。


かぶれは、漆の樹液に含まれるウルシオールと皮膚たんぱく質が反応して起こります。

基本的には完全に漆が乾いてしまえば被れません。

私達は塗りあがってきたばかりの商品を素手で触りますが、被れてたことはありません。


ただし、体質によってはまれに被れる人もいるそうです。

皮膚アレルギーのある人は、少し注意した方がいいかもとのこと。

もし少しでも不安を感じる様でしたら、一度、皮膚科などでご相談ください。


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No.25|漆コラムComment(0)Trackback()

漆の白

2007/10/09(Tue)11:58


「漆ってどんな色ができるの?」

漆の話をしているとお客様からよく聞かれます。

「真っ白と淡い色や発色のいい色以外ならできます」

昔は、『黒,赤,黄,緑,うるみ』5色の系統色しか作れなかったそうですが、

現在は様々な顔料が開発され、色んな色が出せる様になりました。


漆の色は漆の原料は?で書いた様に、透漆に顔料を混ぜて作ります。

透漆自体は飴色なので、最初はどうしても少し鈍い色に仕上がってしまいます。

だから、漆に真っ白の顔料を混ぜてもこんな仕上がりに・・・

木口部分が漆の白で塗っています











▲木口面に白漆が塗ってあります


これが漆の白、実際の色はベージュです。

ただ、どんな色でも時間が経つと漆が透けて鮮やかになってきます。

白も同様です。

ジーンズや革製品の様に自分で育てる事ができるのも、漆の1つの魅力です。


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No.20|漆コラムComment(0)Trackback()