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株式会社カヤバの漆ブログ
2007/10/12(Fri)00:00
以前から紫外線に弱いとは知っていたものの、
自分の目で変化を確かめたくて、実験を始めたのが2007年8月。
塗りは、拭き漆と和紙の2種類(塗りの種類はこちら)を用意。
一番紫外線が当たる、事務所の南側の窓にセッティングしました。
▲変化がよく判る様に当たる所と当たらない所を作る
4ヶ月目。見た目に変化はありませんでした。
日が当たっている所に多少ざらつきがあったかも?
折角なのでもう少し置くことに。
そして8ヶ月。
紙を剥がして見比べてみました。
▲写真を拡大して見比べてください
艶がある所とない所、半分に綺麗に分かれています。
手触りも全く違い、紫外線が当たっている所はもっとざらざらになりました。
ちなみに和紙は、8ヶ月では見た目に大きな変化はありませんでした。
今回変化があった拭き漆は一番塗膜が薄い塗りなので、
紫外線が当たる事により、塗膜が痩せが早かったのだと思います。
やはり漆は紫外線に弱い物だと、改めて納得しました。
(蛍光灯程度の紫外線は全然大丈夫なんですけどね。)
漆塗りをご検討される際には、紫外線が当たらない場所かどうか
確認する事をお勧めします。
*漆コラム目次はこちら
No.29|漆コラム|Comment(0)|Trackback()
2007/10/11(Thu)00:00
「漆は傷つきやすい」と思われがちですが、
実は他の合成樹脂系塗料の硬度と大差ありません。
漆の硬度(塗膜の硬さ)は、大体2ヶ月程で4H~6Hぐらいになります。
次は耐薬品性。
漆の長所は?で「酸/アルカリに強い」と書きました。
ではどの位強いのか?
硫酸や濃硝酸(金をも溶かす強酸性の水溶液)をかけてもまったく変化がありません。
炭酸ナトリウムなど弱アルカリ性程度の物なら変化はありません。
また、エタノールなどアルコールにも強いです。
これらは全て実験された上で、研究データも出ています。
さすがに、鋭利なもので引っ掻いたり、除光液など強い溶剤を付着させると傷つきます。
しかし、総合的に評価すると、漆は安定した塗料であり、
溶剤や薬品に対しては、比較的強い塗料なのです。
漆を塗ってすぐは弱いので,始めは丁寧に扱って欲しいのですが、
(大体、商品納品後3ヶ月位は丁寧に扱ってもらう様お願いしています)
長い目で見ると、とても扱いやすい素材だと言えます。
*漆コラム目次はこちら
No.27|漆コラム|Comment(0)|Trackback()
2007/10/10(Wed)17:59
カシューはカシューナッツの殻から抽出される油です。
漆に似た性質を持つ事から、カシュー漆、代用漆とも言われます。
最近ですと、襖の縁やお仏壇ばどによく塗られています。
漆とカシュー、見た目は似ていますが、まったく別の物です。
その違いは・・・
◇漆は塗ってから硬くなるのに対し、カシューは塗ったときが一番硬い
◇漆は溶剤を混ぜなくても塗れるのに対し、カシューは多少の溶剤を混ぜなければいけない
⇒(完全な天然塗料とは言えない)
◇漆は水分を与えて乾燥させるのに対し、カシューは水分を飛ばして乾燥させる
◇漆はヒビが入らないのに対し、カシューはヒビが入る
◇漆は使えば使うほど艶が出るのに対し、カシューは使用しても艶が出ない
◇漆は自然の香り(漆独特の香り)がするのに対し、カシューは科学塗料の様な臭いがします
◆漆は完全に乾いていていないと被れる場合もありますが、カシューは被れません
見た目でわからない性質ばかりですが、使えば使う程、品質の差が出てきます。
いいものを「長く」使って欲しい。
だからこそカヤバは本漆にこだわります。
*漆コラム目次はこちら
No.22|漆コラム|Comment(0)|Trackback()
2007/10/10(Wed)10:00
サンプルをお客様にお見せすると、たまに
「触っても被れない!?大丈夫!?」と確認されます。
かぶれは、漆の樹液に含まれるウルシオールと皮膚たんぱく質が反応して起こります。
基本的には完全に漆が乾いてしまえば被れません。
私達は塗りあがってきたばかりの商品を素手で触りますが、被れてたことはありません。
ただし、体質によってはまれに被れる人もいるそうです。
皮膚アレルギーのある人は、少し注意した方がいいかもとのこと。
もし少しでも不安を感じる様でしたら、一度、皮膚科などでご相談ください。
*漆コラム目次はこちらNo.25|漆コラム|Comment(0)|Trackback()