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株式会社カヤバの漆ブログ
2007/10/03(Wed)17:10
漆の正体は、漆の木から取れる樹液です。
夏の暑い時期に、樹皮を傷つけて樹液を取り出す「漆掻き」を行います。
一本の木から取れる漆の量は200g程度。
採取されたばかりのろ過していない漆を「荒掻漆」といい、
ろ過された漆を「生漆」といいます。
▲生漆(きうるし)
この段階では水分を沢山含み乾燥が速い為、
下地や木目を生かした「拭き漆」という技法に使われます。
これらの工程後、質を均一にし、光沢や塗る時の平滑性を高める作業「なやし」。
さらに水分を3%までに徐々に抜く作業「くろめ」。
これらを行って初めて「透漆」という、飴色の透明度が高い漆ができます。
この段階で、顔料を混ぜて「色漆」を作っていくのです。
「黒漆」だけは「なやし」「くろめ」を行う前に鉄粉などを入れ、
化学反応を起こさせます。
この作業を得て初めて、深みのある「漆黒」が生まれるのです。
▲黒漆(くろうるし)
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No.13|漆コラム|Comment(0)|Trackback()
2007/10/02(Tue)12:00
カヤバの漆は長野県の木曽で塗っています。
輪島塗りの様な華やかさはありませんが、
控えめながらも品のある風合いと、木曽塗り独特の錆土を使った丈夫で高品質な塗りで
定評があります。
◇木曽漆器の代表的な技法・・・木曽春慶・塗り分け呂色塗り・木曽堆朱
木曽漆器の歴史を少しお話しします。
木曽では古くは600年程前、お寺の漆経箱に年号・作者が記され、
漆が塗られていた事が明らかになっています。
江戸時代、中山道の宿場町であった木曽。
▲今も宿場町の面影が残る奈良井宿
農地の少ない土地でしたが、木曽ひのきなど、良質な木材を頼りに、
旅人への土産物として木曽の漆工芸品(めんぱ(弁当箱)、箱膳、盆など)を作り、
生計を経てていました。
明治初期には、木曽でしか取る事が出来ない下地材・錆土が発見されました。
錆土発見後、輪島へ出向き、技術習得に努めるなどし、
木曽漆器の堅地塗という技法が確立。
木曽五木(きそごぼく)を利用した、丈夫で長持ちする、
人々の暮らしに直結した日用漆器としてさらに発展しました。
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No.16|漆コラム|Comment(0)|Trackback()
2007/10/01(Mon)14:24
よく高級料亭などで使われている漆の茶椀やお重。
「漆(うるし)」ってどんなものかわかりますか?
和食器に興味がある人などは知っているとは思いますが、
ピンとこない人も多いはず。
毎日、ほとんどの人がお世話になっているお椀。
でも本漆のお椀を使っている人は少ないかもしれませんね。
実際、展示会などで漆を知らないという学生さんにお会いする事があります。
漆と聞いて何を連想するでしょうか?
扱いが大変、高級品、飾り物・・・
=日常には使わない、高いから買えない
そう思っている人が多いのではないでしょうか?
昔から日常の食器に使われていた漆。
今でも、漆の産地の人々は、漆の食器はもちろんのこと、
床や壁へ漆を塗ったりと、暮らしに密着したところで使っています。
職人の家のキッチン
フローリング塗った漆がいい味出しています。
トイレの床にも漆塗り。
水や酸・アルカリに強い漆の
長所を生かした使い方。
漆は塗料であり接着剤であり保護材でもある、
これほど見た目に美しく、耐久性に優れた天然樹脂はありません。
自然素材で人にも環境にもやさしい-
そんな素材・漆と、カヤバの取り組みをより理解してもらう為、
これから漆の話を書いていきたいと思います。
*漆コラム目次はこちら
No.12|漆コラム|Comment(0)|Trackback()